腎デナベーション(RDN)とは
腎デナベーション(腎動脈交感神経除神経術)は、血圧を上げる働きをもつ「腎臓の交感神経」の活動を、カテーテルを使って抑える治療法です。
2026年3月から、治療抵抗性高血圧に対して健康保険が使えるようになりました。
腎臓とつながる血管(腎動脈)のまわりには、脳と腎臓の間で信号をやりとりする交感神経が網の目のように通っています。この神経が過剰に働くと、体に塩分と水分がたまりやすくなり、血管が縮んで血圧が上がります。腎デナベーションでは、足の付け根などの血管から細いカテーテルを腎動脈まで進め、血管の内側からエネルギーをあてて、周囲の神経の過剰な働きを抑えます。
※ 当院で作図した模式図です。治療は左右の腎動脈に行います。血管や神経の位置・形は実際とは異なります。
治療の概要
| 方法 | 足の付け根などの血管からカテーテルを入れ、左右の腎動脈の内側から高周波あるいは超音波を用いて神経を焼灼します。手術のように体を切り開くことはありません |
|---|---|
| 麻酔 | 局所麻酔に加え、痛みや不安をやわらげる鎮静薬・鎮痛薬を使用します |
| 治療時間 | 2時間前後 |
| 入院期間 | 3泊4日〜4泊5日程度 |
| 健康保険 | 2026年3月から、治療抵抗性高血圧に対して保険適用となっています。高額療養費制度の対象となります。詳しくは費用についてをご覧ください |
治療を受ける前に知っておいていただきたいこと
- お薬をやめるための治療ではありません。腎デナベーションは、生活習慣の改善とお薬による治療に追加して行う治療です。治療後もお薬と生活習慣の管理は続けます。治療後の経過によっては、医師の判断でお薬が調整されることがあります
- 効果には個人差があります。臨床試験では、偽の手技(シャム手技)と比べて血圧を下げる効果が確認されていますが、下がり方は人によって異なり、効果がはっきりしない方もいます
- 起こりうる合併症があります。カテーテルを入れた部分の出血・血腫、造影剤によるアレルギーや腎臓への負担、まれに腎動脈の損傷などが報告されています。治療前に担当医から詳しくご説明します
- 保険診療として始まって間もない治療のため、長期の成績は国内の登録調査(レジストリー)などで引き続き確認されています。当院でも治療を受けた方の経過を継続して確認します
治療の対象となる方
腎デナベーションは、日本高血圧学会・日本心血管インターベンション治療学会・日本循環器学会が定めた適正使用指針に沿って、対象となるかどうかを慎重に判断します。主に、生活習慣の改善を行い、利尿薬を含む3種類以上の降圧薬を使っても血圧が目標まで下がらない方が対象です。ほかの病気が原因の高血圧ではないこと、腎機能や腎動脈の状態が治療に適していることなども確認します。
対象となるかどうかは、専門外来での精密検査の結果をもとに、多職種のチームで判断します。対象とならない場合も、お薬や生活習慣の見直しなど、血圧を下げるための最適な方法をご提案します。
当院での治療体制
腎デナベーションをご検討の方は、まず「難治性高血圧外来」を受診していただきます。血圧が下がりにくい原因を調べる精密検査から、治療方針の決定、治療後の経過観察まで、多職種のチームで一貫して対応します。
難治性高血圧外来
- 診療日時:第2・第4金曜日 午前(完全予約制)
- 受診方法:当院に通院中の方は主治医にご相談ください。他院に通院中の方は、紹介状(診療情報提供書)をご用意のうえご予約ください


