SRHR:セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)
- SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ:性と生殖に関する健康と権利)とは、自分の体や性、妊娠・分娩に関することを、それぞれの状況の中で、自分の意思で選び、必要な医療を受ける権利のことです。
- 妊娠に関する選択は、「妊娠を望むか望まないか」「いつ、どのように向き合うか」など、一人ひとりの状況や思いによって異なります。その選択を支える医療の一つが、避妊や人工妊娠中絶です。
- 私たちは、SRHRを大切にした女性ヘルスケア医療を行っています。
避妊
妊娠を望まない時期に、確実で安全な方法で妊娠を防ぐことは、女性の健康と生活の質を守るうえでとても大切です。避妊にはいくつかの方法があり、それぞれ特徴、効果、安全性、向いている方が異なります。当院では、医学的な根拠に基づいた最新の避妊方法を提供し、患者さん一人ひとりに合った選択肢をご提案しています。
主な避妊方法当院では以下の4つを中心に提供しています。
- 低用量ピル(OC)
毎日1錠服用することで排卵を抑え、高い避妊効果を得られる方法です。 - プロゲスチン単剤経口避妊薬
エストロゲンを含まない経口避妊薬で、毎日1錠服用することで避妊します。
低用量ピルが使いにくい方の選択肢となるお薬です。 - 子宮内黄体ホルモンIUS
子宮内に器具を挿入し、ホルモンを局所的に作用させて避妊する方法です。
一度装着すると最長5年間避妊効果が持続します。 - 緊急避妊ピル(アフターピル)
避妊に失敗した場合に、性交後に72時間以内に服用して妊娠を防ぐ方法です。
できるだけ早く服用することで効果が高まります。
2026年2月より要件を満たす薬局でも対面販売が開始されました。
| 項目 | 低用量ピル(OC) | プロゲスチン単剤経口避妊薬 |
|---|---|---|
| 方法 | 毎日1錠服用することで排卵を抑え、避妊する方法です。 | エストロゲンを含まない経口避妊薬で、毎日1錠服用して避妊する方法です。 |
| 通常必要な治療内容 | 初診時に問診、血圧測定、体重測定、必要に応じて検査を行い、服用方法・飲み忘れ時の対応・副作用について説明します。 継続処方希望時は定期受診が必要です。 |
同左 |
| 通院の目安 | 初回診察後、継続時は定期受診(1-3か月)が必要です。 | 同左 |
| 1シート(1か月) 費用(税込) 別途診察料かかります |
3000-4000円/1シート | 3000-4000円/1シート |
| 避妊効果(一般的数値) | 一般的な使用で9割、正しく服用すれば99%以上 | 一般的な使用で9割、正しく服用すれば99%以上 |
| 主なリスク・副作用 | 不正性器出血、頭痛、下腹部痛、腹痛等があります。 重大な副作用として稀に血栓症があります。 |
不正性器出血、頭痛、月経異常、下腹部痛、腹痛等があります。 月経周期が不規則になることがあります。 |
| 注意事項 | 血栓症の既往、重度高血圧、前兆のある片頭痛、35歳以上で1日15本以上喫煙する方などは使用できない場合があります。 性感染症を防ぐものではありません。 |
性感染症を防ぐものではありません。 |
| その他 | 月経痛の軽減、月経量の減少、肌荒れの改善が副効用として期待できる場合があります。 | 低用量ピル(OC)が使いにくい方の選択肢となるお薬です。 授乳中も内服できます。 |
| 項目 | 子宮内避妊リング(IUS:ミレーナ) |
|---|---|
| 方法 | 子宮内に器具を挿入し、黄体ホルモンを局所的に作用させて避妊する方法です。 |
| 通常必要な治療内容 | 挿入前に問診、内診、検査、超音波検査等を行います。 月経5-10日目に予約外来で装着します。 |
| 通院の目安 | 装着時の受診に加え、装着後の定期受診が必要です。 |
| 効果持続期間 | 一度装着すると最長5年間避妊効果が持続します。 |
| 挿入時の費用(税込) 別途診察料かかります |
96,800円 |
| 避妊効果 (正しく子宮内に留置されている場合) |
約99% |
| 主なリスク・副作用 | 不正出血、腹痛、脱出、感染、子宮穿孔などがあります。 |
| 注意事項 | 性感染症を防ぐものではありません。 |
| その他 | ・授乳中でも装着可能です。 ・副効用として月経量の減少や月経痛の軽減が期待できる場合があります。 |
| 項目 | 緊急避妊薬 |
|---|---|
| 方法 | 避妊に失敗した場合や避妊を行わなかった場合に、性交後72時間以内に内服して妊娠を防ぐ方法です。 |
| 通常必要な治療内容 | 診察のうえ処方します。できるだけ早く服用します。 必要に応じて再診をしてください。 |
| 受診の目安 | 性交後72時間以内に受診してください。 |
| 処置時間/経過 | 当院では内服のご希望がある方には面前内服をおねがいしています。 |
| 費用(税込) | 11,000円(診察料、薬代すべてこみ) |
| 期待される避妊効果 | 58-95%(内服が早いほど効果が高い) |
| 主なリスク・副作用 | 吐き気、頭痛、不正出血、眠気、腹痛などがあります。 |
| 注意事項 | 緊急避妊薬の避妊効果は100%ではありません。 月経が予定より7日以上遅れる場合や、出血が月経か判断しにくい場合は再診してください。 |
| その他 | ①2026年2月より要件を満たす薬局でも対面販売が開始されました。 ②今後の避妊方法について、低用量ピル、プロゲスチン単剤経口避妊薬、子宮内避妊具などを含めてご相談いただけます。 |
母体保護法に則った人工妊娠中絶
(初期中絶・中期中絶)
人工妊娠中絶とは、手術や薬剤を用いて人工的に妊娠を中断することです。
日本では、母体保護法のもと妊娠22週未満まで認められています。
さまざまな理由で妊娠の継続が難しい場合は、ご相談ください。
当院では、母体保護法指定医が対応し、妊娠週数や患者さんの状態、ご希望に応じて適切な方法をご説明します。
中期中絶の際の陣痛の痛みに対して、鎮痛剤・中期無痛分娩も選択可能です。
臨床心理士による心理的ケアも行っています。
また次の妊娠へ向けての臨床遺伝専門医による遺伝相談を行っています。
- 初期中絶(妊娠11週6日まで)
経口内服薬または手術により行います。妊娠週数やご希望に応じて方法をご案内します。 - 中期中絶(妊娠12週0日~21週6日)
入院のうえ、薬剤を用いて分娩の形で行います。
| 項目 | 初期中絶(経口内服薬) | 初期中絶手術(MVA(手動真空吸引法) |
|---|---|---|
| 対象妊娠週数 | 妊娠9週0日まで | 妊娠11週6日まで |
| 方法 | 2種類の薬剤を用いて子宮内容を排出します。 | 当院ではMVA(手動真空吸引法)で手術を行っています。 |
| 通常必要な治療内容 | 外来で子宮内妊娠と妊娠週数を確認し、検査・同意書説明のうえ日程を決定します。 1剤目は外来で内服し、2剤目は入院のうえ内服して、院内で経過をみながら排出を確認します。 夕方までに排出が確認できない場合は翌朝まで入院し、翌朝までに排出がない場合は手術が必要となることがあります。 1週間後に再診します。 |
外来で子宮内妊娠と妊娠週数を確認し、検査・同意書説明のうえ手術日程を決定します。 手術日の朝に入院して手術を行い、基本的には1泊2日で経過をみますが、術後の状態が良好であれば当日退院が可能な場合もあります。 1週間後に再診します。 |
| 入院の有無 | 2剤目は入院管理となります。(日帰りまたは1泊2日) | 1泊2日 |
| 処置時間/経過 | 2剤目内服後より子宮収縮が開始され排出が進行しますが、排出まで時間には個人差があります。 | 手術自体は短時間です。 |
| 痛みの程度 | 下腹部痛、子宮収縮に伴う痛み、出血があります。 | 術後に一時的な痛みや出血があります。 |
| 和痛(痛みの緩和) | 鎮痛剤を内服します。 | 手術は麻酔(鎮痛下)で行います。 |
| 費用(税込) | 17.6万円 1・2剤目の内服薬・入院費用(1泊2日)・排出が不十分な場合の手術代金も含まれます。 |
16-19万円 入院手術(麻酔も含めて)・入院費用(1泊2日) |
| 期待されるメリット | 手術を行わずに中絶が完了できる可能性がありますが、排出が不十分な場合は手術が必要となることがあります。 | 短時間で処置が完了し、終了までの見通しが立てやすい方法です。 麻酔下で行うため、処置中の痛みは感じにくい方法です。 |
| 主なリスク・副作用 | 下腹部痛、子宮出血、吐き気、下痢、発熱、感染症、遺残、追加処置が必要となる場合があります。 | 子宮出血、感染症、子宮内容遺残、再手術、子宮穿孔、麻酔に伴う合併症などがあります。 |
| 法的手続き | 母体保護法に基づく手続きが必要です。 | 母体保護法に基づく手続きが必要です。 |
| 項目 | 中期中絶 |
|---|---|
| 対象妊娠週数 | 妊娠12週0日~21週6日 |
| 方法 | 薬剤を用いて子宮収縮を促し、分娩に準じた方法で妊娠を終了させます。 |
| 通常必要な治療内容 | 入院のうえ、頸管拡張を2日間行います。 入院3日目より膣剤を挿入し陣痛をおこし分娩します。 分娩翌日、体調に問題なければ退院となります。 状態によっては入院が延長になることあります。 |
| 入院の有無 | 3泊4日以上 |
| 処置時間/経過 | 分娩の経過に応じて数時間~1日以上かかることがあります。 |
| 痛みの程度 | 分娩と同等の強い痛みがあります。 |
| 和痛(痛みの緩和) 別途費用かかります。 |
①鎮痛剤の点滴(1万円) ②硬膜外麻酔による無痛分娩も選択可能です。(12万円) ※東京都在住であれば硬膜外無痛分娩助成の適応になります。 |
| 中期中絶の入院費用(税込) | 約42万円(3泊4日の入院・分娩費用) (和痛を希望した際は別途費用がかかります) |
| 主なリスク・副作用 | 強い腹痛、子宮出血、感染、子宮内容遺残、追加処置、輸血を要する大量出血などがあります。 |
| 法的手続き | 母体保護法に基づく手続きに加え、死産届等の手続きが必要です。 |
| その他 | ・身体的・心理的負担が大きいため、必要に応じて心理的支援をご案内します。 ・分娩一時払いの手続きの対象になります。 |


