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小児院内救急体制

当院では国内最大規模の小児心疾患・成人を含む先天性心疾患患者の診療を行なっており、同時に心疾患は複雑なものが少なくなく重症度も高い傾向にあります。海外ではこのような患者の転帰を改善するために幾つかの試みがなされてきました。その中で急変前の段階を早期認識・介入し急変を防ぐシステムと、急変した際に効果的な蘇生を行うシステムを当院でも2021年より導入しました。

救急体制

特徴

以下の2つのワーキンググループが中心となり、前述の3つのシステムの維持に努めております。
当該症例の振り返りを通してシステムの見直しなどシステムの改善に努めております。また、職員への教育の中心を担っております。

  • 小児RRSワーキンググループ:
    小児RRS、小児困難気道対応フロー
  • 小児ECPRワーキンググループ:
    小児ECPRプロトコール

各システムの特徴

小児RRS

重症患者の診療では、必ず一定の確立で急変が起こり得ます。しかし、その中には前兆のある急変も少なからず存在し、そういった状況を早期に認識し介入することで防ぎ得る急変があります。
RRSとはRapid Response Systemのことであり、急変に繋がりうる状況をシステムの起動基準として定め、その起動基準を満たした患者に素早く評価・介入を行うシステムです。

小児ECPRプロトコール

小児の心疾患、特に年少児の先天性心疾患では、一度急変すると従来の心肺蘇生法に反応しにくい疾患群がいます。その場合に体外循環(体外式膜型人工肺, ECMO)を使用した心肺蘇生法が有効なことがあり、これをECPRと呼びます。これは多職種が素早く行動して協働する必要があり、日頃からのシミュレーションなどのトレーニングを通して迅速にECMO開始まで繋げる努力が必要です。
各職種の役割や連絡系統を明記したプロトコールを作成し運用しております。

小児困難気道対応フロー

上気道狭窄や呼吸不全など気道や呼吸に問題がある患者に対し気道確保を行うことがありますが、中には先天的に気道の構造上の問題を抱えていたり、気管挿管後に気道が浮腫んで狭窄して通常の気道確保が難しい患者がいます。そのような患者に遅滞なく気道確保の専門家(麻酔科)に介入を依頼し、それでも難しい場合には外科的気道確保を外科医により行なえるようにするフローです。

業務実績

小児RRS

起動件数の推移

2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
小児診療班 入院数 1204 1257 1246 1131
小児RRS起動件数 69 15 55 27
1000入院あたりの起動件数 57.3 11.9 44.9 23.8

小児ECPR

プロトコール導入後に明らかに転帰は改善傾向である。

プロトコール導入前後のICU外で発生したECPRの転帰の変化

導入前3年(6件) 導入後3年(6件)
急変からECMO開始まで 中央値74分 中央値30分
生存退院(※) 0 3(50%)
  • ELSOレジストリー(ECMO成績の国際データ)の報告ではECPRの生存率は40%程度である

その他

院内ECPRシミュレーション:2024年度は2回実施

関連する学術活動

学会発表
  • Shoya K, et al., Efficacy of the local extracorporeal cardiopulmonary resuscitation (ECPR) protocol in pediatric cardiac patients, Poster presentation, Euro ELSO 2025
  • 正谷 憲宏ら, 循環器専門病院における小児RRSの現状と課題, シンポジウム16, 第38回日本小児救急医学会学術集会・第32回小児集中治療ワークショップ, 2025 國信 舞ら, 小児循環器専門病院における小児Rapid Response Systemの取り組みと課題, ポスターセッション, 第31回小児集中治療ワークショップ, 2024