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ドクターズボイス

心臓血管病を持った女性の妊娠・出産について~プレコンセプションカウンセリング~

産婦人科|医師

堀内 縁

「プレコンセプションカウンセリング」とは何ですか?

「プレコンセプション」とは「妊娠の前」という意味で、将来の妊娠を考え、準備するためのカウンセリングです。 これは、現在妊娠を考えている方だけではなく、将来いつか子どもを持つ可能性のある、すべての妊娠可能年齢の女性にとって大切なケアです。日々の健康や生活習慣を見直すことが、ご自身の将来の健康、そして将来生まれてくる赤ちゃんの健康にもつながるという考え方に基づいています。

心臓血管病を持つ女性にとって、なぜこのカウンセリングが特に重要なのでしょうか?

妊娠は、女性の心臓や血管に大きな負担をかけるからです。心臓に持病のある方が安全に妊娠・出産を迎えるためには、事前の準備が極めて重要になります。 このカウンセリングでは、以下のことを目的としています。

  1. 妊娠・出産によって、ご自身の体にどのような変化が起こるかを正しく理解する。
  2. 妊娠前から健康管理を行うことで、妊娠中や出産時の合併症を減らす。
  3. ご本人とパートナー、ご家族が、将来の家族計画について考えるための一助とする。

妊娠すると、心臓や血管にはどのような変化が起こるのですか?

お腹の赤ちゃんを育てるために、お母さんの体は大きく変化します。特に心臓血管系への影響は大きく、以下のような変化が起こります。

  • 体の中を循環する血液の量が約1.5倍に増える。
  • 心臓の拍動や1分間に送り出す血液の量が約1.2倍に増える。
  • 血液が固まりやすくなる。

カウンセリングでは、具体的にどのようなことを話しますか?

患者さん一人ひとりの状態に合わせて、以下のような内容を包括的にお話しします。

  • 現在の心臓の状態と、妊娠した場合に予測されるリスク。
  • 妊娠中・出産後の検査計画や、気をつけていただきたい過ごし方。
  • 現在服用しているお薬について:
    妊娠が判明する頃には、赤ちゃんの心臓など重要な臓器はすでに作られ始めています。そのため、妊娠前からお薬の種類を変更したり、中したりする必要があるかを事前に話し合うことが非常に重要です。
  • 出産後の育児における、ご家族や地域のサポート体制の重要性。
  • 不妊治療を考えている場合の注意点や、逆に妊娠を希望しない場合の避妊方法の提案など。

貴院では、どのような体制でサポートしていますか?

当院では、心臓血管病を持つ女性が安心して人生の計画を立てられるよう、多職種の専門家が連携してサポートする体制を整えています。 妊娠を考え始めた段階のプレコンセプションカウンセリングから、妊娠中・出産、そして出産後の長期的な健康管理まで、産婦人科と循環器内科・心臓血管外科などが密に連携し、切れ目のない診療を提供しています。

堀内 縁

副部長