循環器内科|医師
井上 完起
「徐脈性不整脈」とは、どのような病気ですか?
心臓の拍動が異常に遅くなる、または一時的に止まってしまう状態を指す不整脈です。 心臓には、規則正しく拍動するための電気信号を作り出し、それを心筋に伝える「刺激伝導系」という仕組みがあります。この電気系統のどこかにトラブルが生じると、脈が遅くなる徐脈性不整脈が起こります。
ペースメーカーが必要になるのは、どのような不整脈ですか?
主に以下の2つの病気が原因となります。いずれも症状として、息切れ、めまい、重症の場合には失神などを引き起こすことがあります。
- 洞不全症候群:電気信号の司令塔である「洞結節」の働きが悪くなり、信号が適切に出せなくなる病気です。脈が極端に遅くなったり、数秒間止まってしまったりします。
- 房室ブロック:心臓の上(心房)から下(心室)へ電気信号を伝える中継地点である「房室結節」の働きが悪くなり、信号がうまく伝わらなくなる病気です。
ペースメーカーとは、どのようなものですか?
心臓のリズムを24時間監視し、脈が遅くなったり止まったりした場合に、それを補うための微弱な電気信号を送って心臓の動きを助ける、小さな医療機器です。 本体(ジェネレータ)と、心臓に電気信号を伝えるための細い電線であるリードで構成されています。
植え込み手術は、どのようなものですか?
局所麻酔と軽い鎮静剤を使って、通常1〜2時間程度で行う手術です。 鎖骨の下の皮膚を3cmほど切開し、本体を皮下に植え込みます。そこからリードを鎖骨の下にある静脈を通して心臓まで進め、適切な位置に固定します。手術のための入院期間は、約1週間が目安です。
「リードレスペースメーカー」というものもあると聞きました。
はい。これは、本体とリードが一体化した、非常に小さなカプセル型の新しいペースメーカーです。胸を切開せず、足の付け根の血管からカテーテルを使って心臓内に直接留置します。 従来のペースメーカーとリードレスペースメーカーのどちらが適しているかは、患者さん一人ひとりのご病状に合わせて検討し、選択します。
ペースメーカーを入れた後の生活で、気をつけることはありますか?
ペースメーカーを植え込んだ後も、ほとんどの場合、以前と変わらない日常生活を送ることができます。
- 日常生活:ほとんどの家電製品(携帯電話、電子レンジなど)は問題なく使用できます。
- 運動:ゴルフやテニスなど、腕を大きく振るスポーツも、術後数ヶ月経てば可能になることがほとんどです。担当医にご相談ください。
- ペースメーカー手帳:退院時にお渡しする手帳は、ご自身のペースメーカーに関する大切な情報が記載されています。外出時は常に携帯するようにしてください。
- 定期検診:ペースメーカーの作動状況や電池の残量をチェックするために、定期的な受診が必要です。



