産婦人科|医師
井澤 美穂 / 鈴木 僚
貴院の「無痛分娩」はどのようなお産ですか?
当院では、お母さんと赤ちゃんの安全を最優先に考えた「計画無痛分娩」を行っています。 あらかじめ出産予定日周辺に入院日を設定し、陣痛の痛みを和らげる「硬膜外麻酔(こうまくがいますい)」という方法を用います。この麻酔は、痛みをできる限り抑えつつも、子宮の収縮(お腹の張り)は感じられる状態でお産に臨むことを目指すものです。
硬膜外麻酔とは、どのような麻酔ですか?
背骨の中にある神経(脊髄)を包む硬膜(こうまく)の外側の空間に、非常に細いチューブ(カテーテル)を留置し、そこから麻酔薬を注入する方法です。麻酔薬がじわじわと神経に浸透するため、効果が現れるまでに20〜30分ほど時間がかかりますが、作用が穏やかで、より安全に痛みのコントロールができるのが特徴です。
計画無痛分娩は、どのような流れで進みますか?
およそ3日間の流れで進めるのが一般的です。
- 入院1〜2日目:お産の準備 子宮の出口(子宮頸管)がまだ硬い場合は、お産に向けて柔らかく広げるための処置を行います。水風船のような器具(ミニメトロ)や、お薬(プロペスという腟坐薬)を使用します。 ※器具による処置は痛みを伴うことがあるため、希望される方には局所麻酔を行います。
- 入院3日目:陣痛の誘発と麻酔の開始 点滴で陣痛促進剤を使い、陣痛を起こします。 お産が順調に進み、子宮口が3cm以上開いて痛みが強くなってきた段階で、硬膜外麻酔を開始します。
- 出産:麻酔で痛みが和らいだ状態で、出産を迎えます。出産後はLDR(陣痛・分娩・回復室)で2時間ほど過ごしてから、お部屋に戻ります。
麻酔はいつから始まりますか?ずっと痛くないのでしょうか?
麻酔を開始するのは、陣痛が始まり、お産がある程度進行してからになります。そのため、麻酔を開始するまでの陣痛と、麻酔薬を入れ始めてから効果が出るまでの20〜30分間は、痛みを乗り越えていただく必要があります。医師や助産師がしっかりとサポートしますので、一緒に頑張りましょう。
麻酔のチューブを入れるのは痛いですか?
処置の前に、まず背中の皮膚に局所麻酔の注射をします。そのため、チューブを入れる際に強い痛みを感じることはほとんどありません。多くの方は、押されるような感覚と表現されます。
麻酔が始まった後は、どのように過ごしますか?
お腹に赤ちゃんの心拍と陣痛の強さを測るモニターをつけ、お母さんと赤ちゃんの状態を常に確認します。痛みは持続的に麻酔薬を投与することでコントロールします。 子宮口が全開になったら、いよいよ赤ちゃんを産むために「いきむ」段階に入ります。助産師の掛け声に合わせて、一緒に頑張っていただきます。
- 心臓にご病気のあるお母さんの場合は、心臓への負担を減らすために、いきみ方を調整することがあります。




