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ドクターズボイス

心臓病の画像診断

循環器内科|医師

井口 信雄

心臓の病気の診断で、画像検査はどのような役割をしますか?

医師による問診や診察、血液検査などに加え、CTやMRI、核医学検査といった画像診断は、心臓や血管の状態を直接目で見て評価するために不可欠です。病気を正確に診断し、適切な治療方針を決定する上で非常に重要な役割を担っています。

CT検査について教えてください。

CT検査は、ドーナツ状の「ガントリー」という装置の中を寝台に乗って通過しながら、X線をあてて体の断面を撮影する検査です。腕の血管から造影剤というお薬を注射しながら撮影することで、心臓や大動脈などの血管を詳しく映し出すことができます。 心臓は常に動いていますが、当院が導入しているCT装置は、2対のX線発生装置と検出器を搭載しており、同時に2方向から撮影できるため、シャッタースピードが速く、動いている心臓でも鮮明な画像を得ることが可能です。

CT検査では、どのような病気がわかりますか?

主に以下のような病気の診断や評価に用いられます。

  • 冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞):心臓の筋肉を栄養する冠動脈が、動脈硬化で狭くなったり詰まったりしていないかを詳細に確認できます。また、ステント治療後の血管の状態評価にも役立ちます。
  • 大動脈瘤:大動脈にできたこぶ(動脈瘤)の正確な大きさや形を調べ、手術の必要性を検討します。
  • 心臓弁膜症:手術やカテーテル治療の前に、弁の動きや周囲の構造を動画のように撮影して確認し、治療の準備を進めます。また、人工弁を入れた後の弁の動きを評価することもできます。

放射線の被ばくが心配です。被ばくのない検査はありますか?

はい、心臓MRI検査は放射線を一切使わずに心臓を調べることができる検査です。 MRIは強力な磁石と電波を使って、心臓の動きをリアルタイムの動画として観察したり、心筋(心臓の筋肉)がダメージを受けている場所を特定したりすることが可能です。

造影剤アレルギーが心配です。造影剤を使わない検査はありますか?

CTやMRIで一般的に使われるヨード造影剤やガドリニウム造影剤にアレルギーがある方でも、心臓核医学検査であれば心筋の状態を調べることが可能です。 この検査では、ごく微量の放射性物質を注射し、それが心筋に集まるところを特殊なカメラで撮影します。特に運動や薬剤で心臓の負荷テストを受けながら検査を行うことで、狭心症のように労作時に血流不足(虚血)が起こる範囲や程度を正確に評価でき、治療方針の決定に役立ちます。

画像診断の重要性を教えてください。

このように、それぞれの画像検査には特徴があり、患者さん一人ひとりの状態や目的に合わせて使い分けることが重要です。画像診断によって病気の状態をはっきりと可視化することは、正確な診断を下し、安全で効果的な治療計画を立てる上で、なくてはならないものとなっています。

井口 信雄

榊原記念病院附属クリニック院長