TAVI(タビ)/TAVR ~体にやさしい心臓弁膜症治療~

胸を開かず、心臓を止めずに、人工弁を心臓に装着する低侵襲な治療法です。

【Topics】2021年2月 透析患者さんに対するTAVI の治療開始

当院は2021年2月から、透析患者さんに対する経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI タビ)の治療を開始しました。2021年1月に慢性の透析患者さんに関してTAVIの適応拡大が承認され、2月から全国25の許可施設で同治療が行われることになりましたが、当院はその施設の一つです。
詳しくは、下記の説明をご覧ください。

【Topics】2020年10月 新世代デバイス「Evolut PRO+」を用いた 当院初回症例を実施

当院は2020年10月、「経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI/TAVR)」の最新世代デバイスである「Evolut PRO+」を使用した、当院初回症例を実施しました。「Evolut PRO+」の使用により、従来の「Evolut PRO」と比べ合併症がさらに少なくなることが期待されます。
当院は、さらなる治療技術の向上を目指し、引き続き努力を重ねてまいります。

TAVI/TAVRとは

TAVI(タビ)とは、Transcatheter Aortic Valve Implantation の略語で 「経カテーテル的大動脈弁植え込み術」といいます。TAVR(transcatheter aortic valve replacementの略)といわれることもあります。体の一部にカテーテルを挿入し、そのカテーテルを通して人工で作られた弁を心臓まで運び、機能が低下した大動脈弁の内側に人工弁を取り付ける治療です。心臓弁膜症の一つである大動脈弁狭窄症の治療に対して行われ、海外ではすでに2002年から現在までに30万人を超える多くの方に行われています。胸を開かず、心臓を止めずにカテーテルで行う治療のため、患者さんの負担が大幅に軽減します。

心臓弁膜症

心臓は、血液を全身に送るためのポンプの役目を果たしています。心臓内には4つの部屋があり、それぞれの部屋の間に、血液が逆流しないようにするための弁が付いています。心臓弁膜症は、この弁に障害が起きることで、血液の流れが悪くなる疾患です。高齢化に伴い、日本では推定200~300万人の心臓弁膜症の患者さんがいるとされています。

心臓弁膜症には、弁の開きが悪くなり血液の流れが妨げられる「狭窄」と、弁の閉じ方が不完全なために血液が逆流する「閉鎖不全」があります。

<画像提供 エドワーズライフサイエンス社>

大動脈弁狭窄症

大動脈弁狭窄症は心臓弁膜症の一つです。大動脈弁が硬くなって動きが鈍くなり、心臓が収縮する際に弁が大きく開くことができず、心臓から送り出される血液の通路が狭くなってしまう疾患です。
病気が進行すると、全身の臓器に送られる血液が制限されてしまうことにより、心不全、不整脈、失神などの重篤な症状が現れることがあります。
軽度の場合は、薬の投与などによる保存的治療を行いますが、重症の場合は、開胸手術、TAVI(経カテーテル的大動脈弁植え込み術)バルーン大動脈弁形成術を行う必要があります。

<画像提供 エドワーズライフサイエンス社>

透析患者さんに対するTAVI

当院は2021年2月から、透析患者さんに対するTAVI の治療を開始しました。2021年1月に慢性の透析患者さんに関してTAVIの適応拡大が承認され、2月から全国25の許可施設で治療が行われることになりましたが、当院はその施設の一つです。

大動脈弁狭窄症は加齢とともに発症率が上昇します。また、透析患者さんは動脈硬化を比較的引き起こしやすいこともあり、透析患者さんの中に大動脈弁狭窄症を患う方が一定数おられます。これまでは開胸による大動脈弁置換術しか行われませんでしたが、今回の適応拡大によって、より侵襲性の低いカテーテルによる治療が、透析患者さんの治療の選択肢として加わりました。

地域の透析治療に携わる医療者のみなさまと連携し、透析患者さんに対しても質の高い医療を提供します。

人工弁

日本で使用できるTAVI弁は現在2種類あり(エドワーズライフサイエンス社と日本メドトロニック社の製品)、いずれも当院でも使用可能です。いずれの弁も金属製のフレームの中に生体弁を取りつけたものです。

(左の画像はエドワーズ社製弁、右は日本メドトロニック社製弁)

TAVI動画(TF)

エドワーズライフサイエンス社 動画提供

TAVI/TAVRのメリット

  • 人工心肺は必要なく、施術時間は比較的短時間
  • 体への負担が小さく、比較的短期間で退院が可能になり、日常生活に戻ることが可能
  • 通常の開胸手術のリスクが高い、手術ができないと判断された方にとって、新たな選択肢

診療体制

当院は循環器の高度専門病院として、TAVI/TAVRはもとより、従来の開胸術も含めて、心臓疾患に関するあらゆる手技に対するエキスパートが揃っており、患者さんにとって、適切な治療を選択する体制が整っています。

治療の方針は、循環器内科医、心臓外科、麻酔科で編成されるハートチームカンファレンスが、患者さんの現状評価と治療適応の綿密な討議を行って決定します。

担当医師

髙見

循環器内科 部長 

樋口 亮介

循環器内科 医長

佐地 真育

循環器内科 医長

下川 智樹

心臓血管外科 成人 主任部長

TAVI/TAVR による治療の相談を希望される場合

  • 患者様からのお問い合わせ 0570-04-5489 (ナビダイヤル)
  • 医療機関様からのお問い合わせ  042-314-3142(連携室)