2019.07.19

TAVI/TAVR ~体にやさしい心臓弁膜症治療~

TAVI/TAVR

TAVI(タビ)とは、Transcatheter Aortic Valve Implantation の略語で 「経カテーテル的大動脈弁植え込み術」といいます。TAVR(transcatheter aortic valve replacementの略)といわれることもあります。心臓弁膜症の一つである大動脈弁狭窄症の治療に対して行われ、海外ではすでに2002年から現在までに30万人を超える多くの方に行われています。胸を開かず、心臓を止めずにカテーテルで行う治療のため、患者さんの負担が大幅に軽減します。

心臓弁膜症とは

心臓は、血液を全身に送るためのポンプの役目を果たしています。心臓内には4つの部屋があり、それぞれの部屋の間に、血液が逆流しないようにするため、弁が付いています。

心臓弁膜症

心臓弁膜症には、弁の開きが悪くなり血液の流れが妨げられる「狭窄」と、弁の閉じ方が不完全なために血液が逆流する「閉鎖不全」があります。高齢化に伴い、日本では推定200~300万人の心臓弁膜症の患者さんがいるとされています。

<画像提供 エドワーズライフサイエンス社>

大動脈弁狭窄症

大動脈弁狭窄症は心臓弁膜症の一つです。大動脈弁が硬くなって動きが鈍くなり、心臓が収縮する際に弁が大きく開くことができず、心臓から送り出される血液の通路が狭くなってしまう疾患です。

病気が進行すると、全身の臓器に送られる血液が制限されてしまうことにより、心不全、不整脈、失神などの重篤な症状が現れることがあります。

軽度の場合は、薬の投与などによる保存的治療を行いますが、重症の場合は、開胸手術、TAVI(経カテーテル的大動脈弁植え込み術)バルーン大動脈弁形成術を行う必要があります。

<画像提供 エドワーズライフサイエンス社>

TAVI/TAVRとは

TAVI/TAVRとは、体の一部にカテーテルを挿入し、そのカテーテルを通して人工で作られた弁を心臓まで運び、機能が低下した大動脈弁の内側に人工弁を取り付ける治療です。

人工弁

日本で使用できるTAVI弁は現在2種類あり(エドワーズライフサイエンス社と日本メドトロニック社の製品)、いずれも当院でも使用可能です。いずれの弁も金属製のフレームの中に生体弁を取りつけたものです。
(下記左の画像はエドワーズ社製弁、右は日本メドトロニック社製弁)

画像提供:エドワーズライフサイエンス社
画像提供:エドワーズライフサイエンス社
画像提供:日本メドトロニック社
画像提供:日本メドトロニック社

TAVI動画

エドワーズライフサイエンス社 動画提供

TAVI/TAVRのメリット

  • 人口心肺は必要なく、施術時間は比較的短時間
  • 体への負担が小さく、比較的短期間で退院が可能になり、日常生活に戻ることが可能
  • 通常の開胸手術のリスクが高い、手術ができないと判断された方にとって、新たな選択肢

実績と診療体制

当院では、TAVI/TAVRを保険認可後間もない2013年より開始しています。

当院のTAVI/TAVR実績

  • 2018年度 228症例
  • 2017年度 184症例
  • 2016年度 106症例

診療体制

当院は循環器の高度専門病院として、TAVI/TAVRはもとより、従来の開胸術も含めて、心臓疾患に関するあらゆる手技に対するエキスパートが揃っており、患者さんにとって、適切な治療を選択する体制が整っています。

治療の方針は、循環器内科医、心臓外科、麻酔科で編成されるハートチームカンファレンスが、患者さんの現状評価と治療適応の綿密な討議を行って決定します。

担当医師

循環器内科 部長 髙見澤 格

循環器内科 医長 樋口 亮介

循環器内科 医長 佐地 真育

心臓血管外科 成人 主任部長 下川 智樹

TAVI/TAVR による治療の相談を希望される場合

  • 患者様からのお問い合わせ042-314-3111(代表)
  • 医療機関様からのお問い合わせ 042-314-3142(連携室)